自分が断酒できて約4年くらいの出来事です。
「兄ちゃん、おかあが単車(原付き)で事故した」
弟からの電話でした。
命には関わらなく…話を聞いているなかで、頭の中に浮かんだ映像は、父親が酒を飲みながら、うろたえている姿。母の心配をするあまりに、動揺して酒を飲み続け、酔いの中に溺れてる姿でした。
日中だったので、仕事をやめて片道三時間半の道のりを…。
父はタクシーの運転手でした。
基本、丸一日働いて、丸一日休みのサイクル。帰った日は仕事の日だったのに
「やっぱりおった」
不安と、腹立たしい気持ちが交差していました。
父は、ぼくが34歳の入院先で教わった断酒会へ家族として参加し始めていました。
でも自分ら家族から見た、父の酒の飲み方や酔ってからの言葉遣い、暴力などみたら、完璧な依存症本人でした。
何年かは家族として参加し、そして松村断酒学校で周りの先輩方々の諭しで本人へと参加に変わったんですが、酒はやまってはいませんでした。飲んだりやめたりの繰り返しの日々。
そんな父の姿を母から聞いていたのもあって…
こんな大事なときに!飲みよったら、、、との感情が自分のなかで大きくなっていました。
二階は弟。一階の勝手口入ってすぐ右側が父の部屋。
勝手口の戸を開けた瞬間!光もなく薄暗い廊下。どんよりとよどんだ陰な空気。
人の気配のない正面の台所。
まさか!飲み方潰れとんやないんか⁉
「お父ちゃん、おるん?」と言いながら部屋の引き戸を開けた瞬間!
布団に、毛布に包まって弱り果てた、やせ細った父親の姿が飛びこんで来ました。
想像してた通りの姿で「やっぱりかぁ」と気落ちした反面、猛烈な怒りが込み上げてきました。
そんな自分の気落ちを落ちつかせようと…とりあえず便所にいこと。
トイレに入ったら、いつもある便座カバーがない!ひょっとしたら…クソで汚したんやないんか。
洗面所へ行き、洗濯機の中を見ても便座カバーが無い!
「自分も飲みよった時と一緒やないか。酒がとまってないんやけん…しんぼうせい。しんぼうせんといかん。怒るな」暗示のように自分に言い聞かせていました。
父の身体の具合も心配でした。なんも食べてないんやないんか?と思い
「おかゆつくるけん、食べる?」
返ってきた言葉が
「いらん!」という人の行為をむげにした言葉。
「お父ちゃんのことは、ほっといてや」と喋る気力もなく、フーフー息継ぎしながら、必死に絞りだしていました。
あれ程、言うたらいかん!怒ったらいかん!とわかっていたんですが、とうとう
「こっちは心配しよんぞ!こんな時に飲むな」
そして、寝ている父の布団をはぎとりました。
なんと、トイレの便座カバー!そして下痢まみれで、下痢がかわいたシーツ。
自分の父親の情けない姿。
自分が小さい時に、山や海に連れていって来れた面影が全然なかった。なぜかしら、小さい時の楽しかった光景と現実が浮かび、比べていました。
ほんまに大の大人が断酒会にも行きよんのに!なんで酒がやめれんのぞ!
やめよおもたらやめれよが!
そんな怒りの思いと口から出た言葉は
「おどれみたいなアル中は死んでしまえ!そこまでしんどい思いするんやったら、さっさと死ねや!」
父から遠ざかり、暗い台所で一人きっりで…
自分も飲みよったときと一緒やのに。
自分もおなしアル中やのにの。
自分も断酒会に入っても、なかなかやめれんかとたやないか。
飲んだらいかんいうてわかっとんのに、飲んでしまう。
それがこの病気やのにの。
後悔の思いが…
アル中やんか死んでしまえ!
家族の気持ちいうて、こんなんか⁈とも感じる事ができました。
母の事故の怪我も手術はして後遺症はあるものの、現在は弟の依存症の問題で会に足を運んでいます。
父は、それからしばらくして会の仲間のお陰で三光病院に二週間入院して、あれ程の酒ぐせがピタリとやみました。
父の飲み方は、ビールから日本酒。そして20°の焼酎からトリスのポケット瓶をストレートで隠れ飲み。
それが祟ってかどうかわからないけど、断酒5年過ぎて食道がんになりこの世を去り2年が経ちました。
依存症という病に犯された本人を中心に渦巻く不幸。本人も、家族も犯され続けて落ちていく闇の中。悲しみも苦しみも、他人には計り知れない大きさ。
でも、断酒会っていう同じ悩みや苦しみを抱えた人が集まり、助けてくれ場所があって…今、前に進むことが出来ている自分。
自分から歩めば、、プラスになるさ…
ケセラセラ。
−−−
ケセラセラ・・・どうにかなるさ!
ランキングに参加しています。
ポチッといただけると励みになります。
おすすめ情報!













⇒ げしたかゆき (04/04)
⇒ shirou (03/12)
⇒ ファン (01/05)
⇒ ファン (12/22)
⇒ 隆 (12/08)
⇒ 隆 (12/08)
⇒ R。S。(高知県断酒新生会家族) (05/16)
⇒ ようこ (03/16)
⇒ 下司 孝之 (げし たかゆき) (12/30)
⇒ pukapuka (12/15)